シーバスが釣れることで知られている河川では、毎年早ければ1月上旬の大潮、後中潮の満潮前後からバチ抜けが起きて、それにシーバスが群がるという状況になります。それを狙ういわゆる「バチパターン」と呼ばれる攻め方で狙います。
一般論としてはそうなのですが、河川ごとに状況は違っています。
堤1本挟んだだけなのにこっちの川ではバチ抜けが盛大に起きるのにあっちの川では全く抜けないとか、バチはたくさん抜けているのにシーバスがいないなど、川によって事情が違って来ます。
実はここ10年ほど、冬の東京湾奥河川バチ抜けのシーバス釣りはやらずにいました。約10年前は2月に隅田川でバチ抜けのシーバス釣りを楽しんでいたのですが、環境が変わったのか、以前のようにダラダラと大量にナガバチ(おそらくヤマトカワゴカイ)が流れて来ることもなくなり、行かなくなっていました。その代わりに港湾部でハクパターンなどの釣りをして来ました(ちなみに港湾部運河筋のバチ抜けは4月中旬ごろスタート)。
ところが、2年ほど前から1月に入ると小櫃川のバチパターンをやる機会に恵まれ、東京湾奥の川の流れよりももっと早い流れの中で、ウェーディングをして水面で喰わすことが楽しくなってしまいました♪( ´θ`)
ただ小櫃川では流れてくるのはバチだけに限らず、ボケジャコやアナジャコも混じるため、単なるバチパターンではないです。それでも近年はジャコ系は減っているようで、自分が釣ったシーバスの喉奥にジャコ類が詰まっている個体はありませんでした。
そこで今年は近くの河のバチ抜けを再開してみようと、2月に入ってから2つの河川に行ってみた。
荒川はバチなくシーバスもなし
毎年、1月末ごろにバチ抜け情報が入ってくるものの、今年もシーバスの気配なしとのことだったけど2月に入ってから大潮周りで行ってみた。しかしながらバチは抜けておらず、いろんなルアーを投げてみたけど反応なし。これを書いてるのが2月下旬だけど、次の大潮周りでバチ抜け発生でシーバスも寄るのか…行ってみないとわからない。
中川でやってみた
2月中旬に後中潮の満潮から1時間ほど過ぎたころに現場到着。時間が進むにつれて流れが徐々に出始め、19:45には手前の流れの中にバチがチラホラ。20:00になるとさらに流れも効きはじめてバチの数も増えてきた。
川幅は行き慣れた運河で言えば豊洲運河くらいで、砂町運河よりは狭い。使うルアーは運河筋のものでも問題なさそう。運河との違いは流れの速さと強さ。そのため近距離をゆっくり流してる時間がなく、ある程度アップに飛距離を稼がないと食わせるタイミングを維持できない。
そんな状況でいろんなルアーを引っ換えとっかえしながらキャスト方向もいろいろ試してみたけど21:00ごろには流しソーメン状態になりこの日はゲットならず。
水面に引き波立てても反応ないなら、水面直下から場合によっては中層を流してやったらバイトがあったかもと思い、2日後それを試すことに。
中川2回目の挑戦
ということで中1日空けて満潮時間が20:00だったのでほぼその時間、場所に入った。流れもほとんどなくバチも確認したところ見えず。
20分ほど経ったところで水面に波紋が出るようになり、引き波の出る自作の3Dプリンターミノーでキャスト繰り返していると吸い込まれてヒット。しかしすぐにバレてしまった。
流しそうめん状態になる前になんとか釣りたいのだけど、シーバスのライズはそれなりにあるのになかなかルアーには食いついてくれない。やがて川の流れも出て来て、水面漂うバチも多くなって来た。
水面引き波への反応が薄いようなので、水面直下〜1mの間を攻めることに。キャロット72をアップに投げて流れに乗せながらスローリトリーブ。
アップに投げたルアーが正面過ぎたあたりでグイッとヒット。なかなかの重量感でエラ洗もせず下へと強い引きでなんとかランディング。70cmのシーバスでひと安心。
この日はこの攻め方だと確信してそのまま同じことを繰り返していると、今度は40cmほどのシーバス。
ルアーをオネスティ95に変えてドリフトの要領でやっているとカツンと鋭いアタリでラインが出て行く。シーバスっぽくない引きで寄せてライト当ててみるとクロダイ。
ランディングして測ってみると49cmでリアフックがしっかり口の中にフッキングしていた。その後バチの量はますます増えて釣りにくくなり21:30に終了。
この時はルアーの水面引き波に反応が薄かったので、水面直下から中層までを流れに乗せてドリフトで探っていくのが正解だったということでした。
使用ロッド、リール、ルアーについて
冬場の河川バチ抜けパターンのときは上記にもあるように、意外と大きいサイズが喰ってくることが多い感じがします。タックルはざっと以下のようなタイプのものがいいかも。
ロッド | 8.6〜9ft台のライト(L)〜ミディアムライト(ML) |
リール | 3000〜4000番のスピニング |
メインライン | PE0.8〜1.0号 |
リーダー | ナイロンorフロロ12〜16lb 70~150cm |
ルアーについて
ここ数年でバチパターン対応ルアーはかなりのバリエーションが出揃った感じです。シーズンイン前に新製品がリリースされ、既存のものはそれまでになかったNEWカラーが多数追加されてシーバスの前に我々が釣られています(๑>◡<๑)
1月2月の河川で発生するバチは主にヤマトカワゴカイと言われる種類のもので、パッと見10〜15cmくらいでその身はあまりしっかりしておらず、指で摘んで引っ張ろうとする前に切れてしまうくらい柔いです。
4月以降、港湾部で発生する引き波バチと言われるオウギゴカイのように水面激しく動き回って引き波を立てないので、意外と水面引き波を出すルアーに反応しなかったりします。そんなときにはシンキング系のもの、巻けば浮上してくるタイプで水面直下からそのさらに下の層を引いて来れるものにチェンジして試してみる必要があります。
水面水平に浮いてる系
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ノガレ120F
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スライ110F
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Macthbow マッチボウ120F
シンキング系(巻けば浮上する)
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ベイルーフ マニック115
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アルデンテ 95S
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フィール120SG
ざっと3つずつピックアップしましたが、エリ10はもちろん河川バチパターンでもOKで、浮かせておいてもいいし、巻いて少し潜らせて使うのもいいので必携です。
ルアーのカラーについて
これについては人によっていろんな考え方があります。カラーなんて関係ない説から、現場の状況に合わせてシビアに選択する必要性を訴えるものとさまざまです。
で、自分がこういう基準で判断したらいいのではというのがあります。河川でも港湾部でもバチパターンの時はルアーの腹の色のバリエーションはいくつか用意しておくべきと思っています。
ルアーの背中はシーバスからは見えないので、むしろ自分が見やすい色になっていると便利ではあります。とはいえ夜の釣りだと大して見えませんが…。側面の色は腹の色を活かす工夫がされているべきと思います。
ボクの場合、腹の色が白、黒、赤、ピンク、緑を用意しています。フローティング、シンキング共にこれらの色を用意してローテーションしています。そのローテーションの中で釣れた時のカラー中心にまた釣れなくなってくると、カラーを変えていきます。
バチパターンの場合は、ボディがクリアのものとシルバーやホログラムのものは経験上要らないという結論になってます。それで釣ったことはもちろんあるのですが、ルアー全体のシルエットがボヤけてしまうよりは、特に腹の部分のシルエットをハッキリさせて色の違いで明度に変化を付けていく感じです。
色について話すとなると、シーバスの色覚のことや色の特性である明度・彩度についてもとなると、どえらい長い話になるのでそれはまた別のところで。
基本的に釣れないルアーはなく、その場、その状況でどう対応させていくか、通って試す経験を重ねると見えてくるものがあります( ◠‿◠ )