シーバス減ったねぇ
と、これは何年も前からシーバス釣り(場所は東京湾奥)の話になると出るフレーズなんだけど、2025年に入ってからは特に実感がこもった言葉として聞かれるようになった。自分でもそう思ってます。
自分のシーバス釣りの行動範囲なんてたかが知れてるので、単にお前さんが釣れてるところで釣りしてないだけだろ!? というのももちろんある! それでも過去30年近く、途中ブランクはあったりしたけどシーバス釣りをして来て、この10年を振り返ると一番釣れておりません(≧∀≦)
エキスパートと言っていい仲間も明かに釣獲数が減ってるし、科学的調査やデータに基づかなくてもそういう現実や印象は、シーバスが減っている事実を示している。
ということで、釣る側の釣れないという確度の高い“印象”とAIさん(Perplexity Pro, chatGPT など)にお尋ねして出て来た回答と併せてつらつらとまとめてみようと思う。
クロダイ、キビレが増えていること
これに関して普段運河に囲まれたところに住んでいる者としては、明らかにクロダイ・キビレが増えたと言える。実際護岸にへばり付いているミジ貝などを齧ってるクロダイ(以後キビレも含むけど、ほとんどはクロダイ)を目にすることが多くなり、橋脚キワやバースの支柱の間にいるのはクロダイばかりになっている。
かつてはそこにはシーバスが群れていたのだけど、明らかにクロダイに占領されて居場所がなくなったという印象だ。護岸キワも同じで、かつてはキワに沿ってボケーっとサスペンドしているシーバスが見られたものだが、今では目視出来るシーバスがいなくなった。
クロダイ・キビレの急増
調べによると東京湾では2020年代以降、クロダイとキビレの個体数が顕著に増加している。特にキビレは2010年頃から確認され始め、現在では湾内の運河や護岸付近で釣りの主要ターゲットになっているようだ。その要因として、
冬季の水温上昇
温暖化や都市化の影響で湾奥の最低水温が上昇し、キビレの越冬が容易になった。
eg: https://web.tsuribito.co.jp/enviroment/tokyo-kurodai-kibire-seitai2108-02
汽水域の環境回復
河川や下水処理の改善により、キビレが依存する河口・汽水域の環境が改善。
eg: https://web.tsuribito.co.jp/enviroment/tokyo-kurodai-kibire-seitai2108-02
エサ資源の豊富さ
東京湾のプランクトンや底生生物が増加し、クロダイ・キビレの生息に適した環境が拡大。
と、以上のことが言われていて、湾奥海域の水温上昇がクロダイ・キビレにとって過ごしやすくなったってことか。それに関連して以下のような見解もある。
生息域の競合
クロダイは垂直護岸や構造物付近を、キビレは砂泥地を好み、シーバスの成育場(特に護岸周辺)と重複。クロダイの増加に伴い、シーバスの生息空間が圧迫される例が観察されています。例えば、運河の護岸では「シーバスが減り、クロダイの群れが増えた」との報告があり、ミクロな棲み分けが崩れた可能性を示唆。
環境変化の共通影響
水温上昇や水質改善はクロダイ・キビレに有利に働く一方、シーバスには不利です。キビレは低塩分環境を好むため汽水域回復の恩恵を受けますが、シーバスは表層水質の悪化(急激な気温上昇時)に脆弱で、捕食機会が減少。特に夏季の貧酸素状態はシーバスの行動を制限しますが、キビレ(秋産卵)は影響を受けない。
シーバスの減少について
クロダイやキビレが増えてることについては良いも悪いもなく、気になるのはシーバスが減っていることだ。印象としてもそうだし自分の釣果も年々減っている。そこで『シーバスを趣味として釣る側の釣れた数は減っていますか?』とperplexity Proにお尋ねしてみると以下の回答が。
2023年から2025年にかけて、東京湾で趣味としてシーバス(スズキ)を釣るアングラーの釣果は、全体として「やや厳しい状況が続いているが、タイミングやポイントによってはまとまった数が釣れる日もある」という傾向が見られます。
2025年の釣果状況
2025年6月の実際の釣果記録では、ボートシーバスで1人あたり1~5匹程度、全体で7匹前後といったケースが複数報告されています。サイズは40~70cmほどが中心で、ランカー(70cm超)も時折出ていますが、数釣りは難しい日が多いようです。
ナイトゲームやバチ抜け(バチパターン)シーズンでは、条件が合えばヒット連発もあり、良型(70cm超)が複数本出ることもありますが、全体的には「チェイスはあるがバイトに持ち込めない」「バラシが多い」「厳しい時間帯も多い」といった声が目立ちます。
陸っぱり(岸釣り)や河口部でもシーバスは釣れていますが、釣果は1~2本程度と控えめな例が多く、クロダイなど他魚種の釣果が目立つ日も増えています。
2024年~2025年の変化と背景
2024年は暖冬の影響でバチ抜けパターンが不安定となり、「1日しかバチが抜けなかった」「予想通りにいかない」といった年でした。2025年はやや持ち直しているものの、例年ほど安定した数釣りは難しい状況が続いています。
「タイミングが合えばバタバタヒットもあるが、全体的にはシビア」という現場の声が多く、釣れる日と釣れない日の差が大きい傾向です。
以上、いくつかのボートシーバスの釣果情報などからまとめた回答のようだけど、自分の今年(2025年)6月までのオカッパリ・ボートでの釣行を振り返ってみても、ボートで探ってかつてなら数本必ずゲット出来ていたポイントでも空振りくらったりと、明かにそこにシーバスがいないという状況でした。
漁師が獲ってしまったという疑い
これはまぁ自分が釣れないと人のせいにするという、人間としてダメなところでもあるのだけど(苦笑)何の根拠もなく想像で言われても漁業に携わる人たちにとっては不快極まりない話だ。
でも、そうした疑いの話はどこからともなくしばしば伝わってくるのもなので、ここらで自分で調べてみようと思った次第。
実際にシーバスは減っているのか!?
東京湾のシーバスは減っているのかとchatGPTにお尋ねしてみたところ、出て来た回答をとりあえず以下に。
東京湾のシーバス、厳しい状況が続く —— 2023〜2025年の動向レポート
1. 漁獲量の推移 〜 減少傾向は長期化
漁獲の面では、すでに2023年以前から減少基調にありましたが、最新の報告によれば2025年にかけても大きな回復は見られていません。
●2023年のデータ:
神奈川県のスズキ類漁獲量(2022年実績)は183トン。ピークだった2006年(955トン)と比べて約80%の減少。湾内における漁獲シェアも2021年以降、低下の一途をたどっています。
●2024〜2025年の状況:
東京湾奥のまき網漁業では、スズキの割合が全体の6〜11%程度(2022年データ)。漁業者や釣り人からも「数は戻っていない」という声が多く聞かれています。
2. 魚影の変化 〜 釣り人の実感と一致
現場の釣果とリンクする生息数も、漁獲量同様に減少しています。
●2023年:
「魚影が薄い」「釣れてもサイズがバラバラ」といった声が目立ち、河川での釣果もムラが大きい傾向。
●2024年:
クロダイの個体数が増加し、シーバスの生息エリアが狭まる状況に。特に護岸エリアではクロダイに押され、シーバスの確認数が明らかに減少。
●2025年春:
例年なら期待されるバチ抜けも不安定。5月時点で「例年より魚が薄い」との報告が多く、大型個体の遡上も鈍い様子。
3. 減少の要因は複合的
●漁獲圧の増加:
食用魚としての人気上昇に伴い、漁獲プレッシャーが強まり、「根こそぎ」のような取り方が資源に大きな影響を与えたと指摘されています。しかし自主的な休漁やサイズ制限を設けて、一部漁業者の間では11月〜2月の休漁や、25cm未満の個体の放流が実施され、産卵保護が試みられています。さらに電子モニタリング導入や、千葉県との共同調査により、資源評価の精度が上がってきています。
eg: サステナブル漁業プロジェクト報告書:千葉県船橋市東京湾スズキまき網漁業(2024年9月報告)
●環境変化:
青潮や水温変動がシーバスの産卵行動に悪影響。2024年の暖冬により、バチ抜けの時期や規模が不安定になり、釣果にも影を落としました。
●競合種の増加:
クロダイやボラなどの個体数が増加。特に浅場や岸際の“いいポイント”がシーバスにとって使いにくくなってきている印象があります。
ということなのだけど、上記『漁獲圧の増加:』にもある通り、漁師が乱獲してるわけではない、それなりに制限を設けて漁をしているということで、以下の報告も出ていた。
https://www.pref.chiba.lg.jp/gyoshigen/sigenhyoka/documents/03-r4suzuki.pdf
上記にもある『1983年から1998年まで種苗放流を実施し、以降休止。』についてだけど、シーバスの稚魚を放流していたんですね。それが1998年にストップしてしまったこともシーバスが減っていることにも繋がっているようです。逆に今はクロダイの稚魚をどこかの団体が放流してると聞いてますが、それならシーバスが減ってクロダイ・キビレが増えるのも、さもありなんかなと…
上記サステナブル漁業プロジェクト報告書:千葉県船橋市東京湾スズキまき網漁業(2024年9月報告)にあるスズキに対する「自主的管理方法』はこのようになっている
といった自主的管理方法を持って漁労が行われているということですが、以下のグラフを見てみると、シーバスよりコノシロの漁獲の方が大きいようです。
2月、3月はそれぞれ自主禁漁月になっているようです。
と、かいつまんで画像を出してみましたが、千葉県船橋市東京湾スズキまき網漁業に関しては、上記のリンク先を辿って読んでみてください。
個人的には、『4.2:主な漁獲物の資源状態』の記述がイマイチ腑に落ちない感じなのですが…まぁ資源評価の判断としては2021年の資源水準は高位、最近5年間の資源動向は増加傾向にあるということで。以下の記述です。
千葉県による令和5年度の沿岸水産資源の資源評価結果によると、スズキの資源状態は高位、資源動向は増加傾向である。コノシロの資源水準は高位であり、資源動向も増加傾向にある。令和5年の評価では両種とも千葉県資源管理方針に記載されている資源水準5を上回っている。
さて、こうして長々とコピペしたり自分の言葉で書いて来て、締めの言葉的なものどうしようかと思うのだけど結論的なことは書けないし、釣りする側としてはシーバスが減っていると思うなら、大事に扱うしかないですね。
このことは、常に思いながらですかね。