今年も東京湾のタチウオ釣りに行って来た。
毎年7月ごろにシーズンがスタートして終了までに2回ほど釣りに行き、夕食にタチウオの塩焼きがしばらく続くことになる時期がやってきます。釣ったその日は捌いて刺身で食べるも良し、焼いても良しで、その日食べる分以外は冷凍庫で保存しておくのだ。釣れる日に当ると10本20本と終日飽きずに釣れて楽しいし、おかずの足しになります(笑) タチウオも買うとなると、時期によってはそこそこの値段しますし。
ちなみにタチウオというのはこんなサカナ。
漢字で『太刀魚』と書きますが、魚体もキラキラした銀色で長いところから刀に例えられ、英語名も『Saber Fish』と言われてるようです。それでルアー釣りの言葉でタチウオ釣りのことをサーベリングと言ったりしてます。また、立った状態で泳ぐところから立つ魚が転じてタチウオと呼ばれるようになったという説もあります。
タチウオは歯がトゲトゲで、これがまた鋭い作りになっておりまして、ライン(糸)も自分の手も触れるとスパッと簡単に切れます。歯の1本1本がそれこそ鋭利な釣り針の先のようになっていますので、釣った際の取り込み時や調理する時に注意が必要です。
僕の場合はエサで釣るのではなく、ルアーで、中でもメタルジグと言われる主に鉛で出来たルアーで狙います。もちろんエサ釣りでも楽しめますが個人的にはやったことがないです。エサであれルアーであれ、ただ海中に沈めていればいいわけではなく、それなりに誘う工夫が必要とされる釣りで、そのあたりのゲーム性が楽しい部分と言えます。
さて。
タチウオを釣りたいと思ったら、僕の場合はもう何年もこの釣りをやって来ていることもあり、何の疑問もなくどこへどう手配してことを進めたらいいのかがわかってしまっているので、その気になればスイスイと進められるのですが、経験のない人が興味を持ったとして、ぢゃ〜どーすればいいの? ってところで止まってしまうのだと思います。
ということで、江東区での遊び方のひとつということで(タチウオを実際に釣る場所は江東区内ではないですが)、その手順をお伝えしてみようと思います。
江東区から船で東京湾のタチウオを釣りに行く方法_その1
サカナ釣りって、そのサカナが釣れる時期というのがあります。なんとなく暖かくなって来た4月ごろに東京湾でタチウオを釣りたいと思っても、その時期は大抵釣れないとか、他の釣りもので船がいっぱいな時期なので、船宿さんもタチウオ釣りの船を出していません。西伊豆方面だとやってたりするので、どーしてもタチウオ釣りたい、喰いたいという諸兄諸姉はそっち方面まで馳せ参じられるようです。ま、そのことは置いといて…
東京湾の場合、7月になるとタチウオ船が出るようになります。横浜から南の方面だともちょっと早くから出ているようですが、江東区内の船宿さんだとだいたい7月からです。そしてあまり釣れなくなるまで、冬の時期まで継続されるという感じです。途中、さすがに全く釣れなくなったということになれば中止されます。そこは自然相手のことなので、船宿さんがそれぞれ状況判断を下します。
ということで、普段から情報収集に努めます。って何もガッツリ毎日拘ってるわけではなく、僕の場合はタチウオ釣りをさせてくれる船宿さんのwebを幾つかブックマークしてあって、夏が近づいて来たらたまにそこにアクセスしてみるとか、釣り情報雑誌を購入して読んでみるとかしています。
で、僕がお世話になっているタチウオ船を出してくれている江東区内の船宿さんは『深川吉野屋』さんです。検索も『深川吉野屋』でOK。
https://www.team-yoshinoya.com/
https://www.team-yoshinoya.com/diarypro/
最寄り駅は東西線の木場駅になるかなと。コンビニも船宿近くにあります(画像に写ってます)。
深川吉野屋さんMAPはサイトから拝借。
クルマも20台ほど停められるところあるようです。僕は近いのでチャリですが(笑)
個人的には近くてルアーでも釣りやすい設計(特に船首の方)の船になっている『深川吉野家』をタチウオの季節になるとチェックしていて、タチウオ開始の情報が出ると釣果情報が気になり、夕方17:00過ぎにはアップされているその日の釣果情報をチェックするようになります。
江東区から船で東京湾のタチウオを釣りに行く方法_その2
気になってチェックする釣果情報。釣れている! いつ行くの? 今でしょ! って、なかなか都合のいいようには行きません(苦笑)
やりくりをしつつ、おおよその釣行日をもくろみます。釣果情報を確認しつつ、場合によっては休みが取れそうな日に限って、釣れなくなって来たということもまま、あります。釣りはこれがありがちです。7〜9月は台風シーズンでもあります。気象の都合はいかんともしがたいので、そこは諦めます。
釣れている状況と自分が行ける都合が合致して、晴れて釣りに行けることになったら、船宿さんに前日までに電話で予約を入れます。受付は遅くても19:30ごろまでかなぁ。最盛期だとすでに予約で一杯なんて日もあるのでご注意ください。気になることはいろいろ聞いてみるといいです。どんなルアーで釣れているのか、ジグなら何グラムのものを持って行けばいいかなど…。
あと、当日風が強そうだとか、雨も激しく降りそうで出船するのかどうか不安な場合も直接ご確認ください。
釣り具はどんなものが必要か、無い場合は?
タチウオのエサ釣りをしないので、ルアー釣りのご紹介となります。もっと具体的にはジギングという釣り方です。釣り具(タックル)についてあれこれ書き始めると、これまたえらい文章量になるので、いくつか参考になるページを以下に。
タチウオジギングで検索すると色々出て来ます。ジグの種類や重さは、その土地のポイントによって違って来ますので、東京湾でのタチウオジギングとは条件がちょっと違ってたりする情報もありますが、基本的なところは同じです。
https://sansui1902.jp/html/08_tachiuo.html
https://gure-tinu-hitori.sakura.ne.jp/sarbeiringu.html
https://niftsuri.cocolog-nifty.com/oki/2009/07/post-0585.html
ちなみに僕は、リールはベイトリール。竿は6.5ftのルアーの負荷80gがMaxのベイトロッドで、150gまでのジグを使ってます。スペック的にはオーバーしてますが特に問題はないです。
リールに巻いているライン(糸)はPEの0.8号を200m巻いてます。PEラインの先に繋ぐリーダーとして、20ポンドのフロロカーボン製のものを1.5mほど付けてます。タチウオの歯でよくリーダーが切られるということで、さらに80ポンドくらいのリーダーを50cmほど付ける人もいますが、僕は切れるときは切れると思ってるので、付けたり付けなかったりです。PEラインとリーダーの結び方は以下のやり方です。
●PEラインとリーダー結び方動画
とか
などあります。
https://www.seaguar.ne.jp/knot/lines/line_8.html
また、リーダーとリングの結び方で一般的なのは以下のクリンチノットというのがあります。
ラインとフックとジグを繋ぐ役目の丸いリングと、これまた丸いスプリットリングというものを使います。ジグの下、左がつなぎ目のないリングで、右がジグやフックを取り付けるためのスプリットリングです。
で、肝心のルアーとハリのセッティング方法、組み合わせの状態はこんな感じ。
こうしておくと、ジグを替えるときにフックまで外さずに出来ますし、逆にフックがなまってしまって刺さりが悪くなったときにフックだけ替えられます。
フックに繋がっている長いヤツですが、5連サルカンというものです。
この部分は人それぞれ工夫されている部分ですが、ジグの真ん中あたりにフックが位置するようこうしてます。ジグを底まで落として巻き上げて来るのですが、タチウオは割とジグの真ん中あたりに食らいついて来るのでこうしています。さらにジグの下にもフックをつけることもあります。
リングにスプリットリングを付けるとか、ジグをスプリットリングに付ける際に、リングを広げるためのプライヤー(ペンチ)があります。これがセッティングに必要となります。先がスプリットリングの間に入りやすいよう、ツメが出っ張ってます。
そんなプライヤーを使わなくても、スナップという手で簡単に開け閉め出来るヤツを使ってもいいのですが、経験上なぜかサカナとのやり取りの途中で開いてしまってサカナとジグが外れるとか壊れるといったことが何度かあったので、重たいジグを使う釣りでは、物理的に簡単に開いたり壊れたりしないこの方法でやってます。
いずれにしても釣れたタチウオからフックを外すためにプライヤー(ペンチ)は必要です。フックを外そうとしたときに、いきなり暴れ出すことがあり、その勢いでフックが近づけた手に刺さることがあるため、ペンチでフックから手までの距離を保った状態で外します。僕はジグやフックをセットするためのプライヤーと、タチウオからフックを外すための長めのプライヤー2本を用意して使ってます。
あと、プライヤーでフックを外す前にタチウオを掴むわけですが、素手で掴もうとすると食いつかれます。歯が鋭いのでちょっと触れただけと思っても結構深く切れてましてイタいです。それと濡れた手はなかなか血が止まりません。なので専用のトンクみたいな挟むヤツも準備しておきます。僕は釣具屋で安く手に入るステンレスのメゴチ挟みを利用してます。これでしっかりエラの後ろあたりを掴みます。
さて、東京湾でタチウオを釣るためのジグですが、タチウオ用と言われるものの中から100g, 120gを中心に5, 6本は必要です。カラーは全体が紫色、ピンク色、金色、赤色あたりがあれば東京湾ではなんとかなります。ちなみに船宿さん受付でいくつかジグやフック類が売られています。
東京湾の場合、釣るポイントによってはやたらと潮流の早いところがあります。ジグは余程浅いポイント(15m前後)以外なら最低でも100gあったほうがトラブルも少ないです。
まわりの人が120gのジグを使っているのに、自分だけもっと軽いものを使っていると、自分のジグの沈みが遅く流されてしまうことで、隣の人とお祭りしてしまう(糸が絡んでしまう)ことになります。隣の人の使っているジグを見て重さがわからないようなら、何グラムのもの使っているか、聞いてみてください。あまりに潮流が早いと船長さんから○グラムのジグを使って! とアナウンスがあると思います。
細かな道具についてはこんなところでしょうか。
とりあえず最初なので道具を全部揃えるつもりはないなら、竿とリールは船宿さんで用意されているものをレンタル(有料)されればいいです。
画像右側、立てかけてあるもの。
早めに行って、仕掛けをどうセッティングするか聞けば教えてくれると思います。ただ、上記で述べた消耗品的なジグ、フック(ハリ)、ジグとハリを結束するリング類は予め揃えておく必要があります。
あとは、出船7:00ならせめて30分前までに受付済ませていただいて、釣り終了が14:00だとしたら、それまでに必要な水分と食料を持参してください。夏場の炎天下での釣りは日焼け止め対策も必要ですし、結構知らずに汗もかいてますのでやはり水分は多めが安心です。
クーラーボックスはそういった意味でも、飲み物を冷やしておくとか食料を痛ませないようにするためにも必要です。もちろん釣ったサカナを腐らせずに持ち帰るために必要です。ちなみに氷は船宿さんで用意してくれますので、出船前に確保しておきましょう。夏は溶けやすいのでやや多めに。
あとは船に乗り込み出船を待つわけですが、よい釣り座は早いもの順です。よい席ってのも変ですが、一番前、船主部分はミヨシと言いますが、ベテランが好む場所です。僕は割と真ん中よりやや前くらいが落ち着いて釣り易いと思っています。すぐに座れるし立って釣るので船縁に膝上が寄りかかれるような高さが安定して釣りやすいですかね…。後ろの両角も自分のテリトリーがハッキリして釣りやすいかもしれません。
東京湾のタチウオジギングでは釣り座によってそれほど釣果が違って来るとは思いませんので、釣り人が少なければ間隔を広めに取って、ゆったりとした空間で釣りが出来ますので状況に応じて空いてるところでやればいいと思います。
本来は釣ったサカナを入れておく桶ですが暑いので失礼して…
とりあえず、ここまで釣れてるかどうかの情報確認から予約、道具の準備から出船までの流れを書いてみましたが、どうでしょうか。なんか大事なこと忘れてないか読み返してみましたが…。
あと、船酔いですが、まずは徹夜で行かないようにすることですかね。睡眠時間は普段と同じで。あと酒を飲み過ぎて二日酔い状態というのはマズいのでそこまで飲まなければ大丈夫なのではないかと。不安な方は出船1時間ほど前にアネロンなどの酔い止めを飲んでおくとか。
船は洲崎水門から出て、潮位によっては幾つかの橋の下ギリギリをくぐり抜けて、辰巳水門を抜けてゲートブリッジの下をくぐって富津より南のポイントへ向かいます。その日によってポイントは違って来ますが、だいたい1時間ちょいかけてタチウオポイントに着きます。
どうやって釣るのかは、またの機会にしますが、タチウオジギングで検索すれば、動画も結構あるようなので、参考になるかと思います。こうすれば必ず釣れる! という方法があればいいのですが、それがわかれば誰も苦労はいたしません(笑)
この釣りの楽しさのひとつは、それを自分なりに見つける、探り当てるということなので、釣れない時間が長いときにあれこれ工夫してみられたらと思います。