豊洲地方GWは概ね晴天に恵まれ、過ごしやすい日が多かったです。この時期になると、例年通り砂町運河、東雲運河あたりの水色は赤褐色になって、「やっぱり東京の海は汚いなぁ」とか「もしかしてこれ公害!?」といった印象を持ってしまうのではないだろうか。
潮見公園に架かる七枝橋から見てみると、
海の色、青いと思ってたらあれ? もっと近づいてみると
茶色の海。ボートが通った後はこんな感じ。
と、色味としてはあまりいい印象を受けるものではないですねぇ。これを見たらある程度年配の方々は、その昔の東京湾が公害で汚染されているのを知っているだけに、公害の影響がまだあるかのように思ってしまうだろうし、そうではない世代の人も劣悪環境の海といった印象を持ってしまっても仕方ないかも…。
でもこれはタイトルにある通り、いわゆる工業排水などによる汚染された海水ではないです。今の時代、規制されていてかつてのような排水ダダ漏れ状態にしていたら即刻営業停止になるので、それはほぼ無い状態のはずです。
こうした真っ茶色状態になるのは例年通りっちゃ例年通りの現象で、晴天が続き、気温も海水温も上がり、水面が太陽光に照らされているとプランクトンの活動が活発になります。この真っ茶色の原因はプランクトンによるものと言えます。いわゆる赤潮の状態です。
先日、夜の間に雨が振りましたが、そのため海水温も少しは下がったためか、茶色度が薄くなりました。でもいくら人為的公害ではないとは言え、プランクトンが多く発生するということは、海中の溶存酸素量も少なくなるだろうから、サカナや生物にとっては苦しい状況ではあると思います。
ところが、前日に訪れた江東区のもう少し北側、清澄公園近くの『大島川西支川』はこんな感じ。エメラルドグリーンな水色で、実際水面を見てみたら、透明度もそれなりにあって綺麗な印象です。
60cm級のシーバスもゆら〜りと泳いでいました。
場所はこのあたり。
隅田川に近く、そこから流れ込む水の影響なのだろうか、砂町運河や東雲運河より運河幅の狭い方が水の循環も鈍そうで、むしろこういう運河の方が水温も高くなりがちでより茶色くなるのではないのか!? と思っていたら違っていました。
なぜこんな違いが出るのか、今の自分の知識では説明出来ないのですが、追って調べてみたいと思います。
そして、夜になるとこの時期、各運河では『バチ抜け』という現象が起こります。バチとは主に釣り人が好んで使う言葉で、海底に住むゴカイ類のことです。バチ抜けとは、ゴカイのような環形動物門多毛綱の産卵行動です。画像検索したらいっぱい出てきて気持ち悪いが、こんな感じ。
つまり夜にこのバチ抜けが起こると、これを食いにサカナが集まって来ます。特にシーバスがより集まりやすくなり、釣りやすくなるということで、この時期夜になるとシーバス釣り愛好者も護岸に集結することになります。
満潮時間が暗くなってから迎える大潮や後中潮の夜、19:00〜21:00の間が主にバチもより抜けて、シーバスもより多く捕食活動が活発になります。豊洲運河でもシーバスは釣れます。これはちょっと小型のシーバス。
他の運河でもこんな感じで50cm級のシーバスが釣れます。
昼間のあの真っ茶色な海水を見ていたら、こんなのが釣れるとは思わないでもないですかね。
夜になって多少涼しくなり、プランクトンの活動も低迷してある程度、水質はよくなっているのかもしれませんが、40、50cm級を中心としたシーバスは活発に水面、水中を漂うバチを捕食します。そのバチにルアーを紛れ込ませていかにしてシーバスを釣り上げるか…というゲームです。
この釣り方は6月まで、バチ抜けた起きている期間楽しめます。これも江東区の海での遊び方のひとつです。
【関連リンク】
●江東区の環境水質基準はこちら
https://www.city.koto.lg.jp/380303/machizukuri/sekatsu/suishitsuosen/7306.html
●江東区河川水質調査
https://www.city.koto.lg.jp/380303/machizukuri/sekatsu/suishitsuosen/7307.html
●東京都内湾 赤潮発生状況
https://www.kankyo.metro.tokyo.jp/water/tokyo_bay/red_tide/
●河川・海域の水質測定結果(速報)
https://www.kankyo.metro.tokyo.jp/water/tokyo_bay/news_flash.html